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古い時計と職人さん3のお話。

2007年7月10日

「これ、なんだか知ってる?」
「18金だよ、金無垢だよ。」……え~っ!鳥肌が立ちました!
「え~!ホントっすか?」「ハア~捨てなくて良かったぁ」
汗とか空気中のアク(雑物のことと思われる)そういうものが長い時間にこうやって変色させてしまうとのこと、職人さんはそんなことを喜んで話をしてくれまました。おおっ何だぁ~、思っていた人ではなく意外と気さく!私の考えすぎ、妄想のしすぎでした。
「この時代のこの時計だから、おじいさんも大事にしてたはずだよ!」
「そうですかぁ…。是非治してあげたいですね。」
私がこの古い腕時計を、おじいちゃんの時計を何とかしたいということを告げると、話は盛り上がり、針取るけることはなんでもないとのこと。その手は話しながら裏蓋をはずし腕時計の中を確認していました。前回OVHした日付やその当時の職人の腕まで話は広がり、日本にはちゃんと時計を「治せる」人が少なくなった、時計屋が時計を壊すなど嘆きの話までしてくれました。その腕時計は1952~1956年の間の製品ということも分かりだいたい1954年位かな?ということ、しっかりとした製品番号まで教えてくれました。
静岡や徳島から日帰りで修理に来たり、沖縄からの電池交換依頼など、全国から修理依頼が来るその時計屋(職人さん)は、無くなった部品も手作りしたり、200年以上前の時計も手がけるようです。ヨーロッパの有名時計会社本社からも依頼が来るそうで、日本正規代理店のオーバーホール(OVH)の値段がなぜ高いのか!なども話してくれました。ネットなどで顔の見えない人にOVHをお願いするのには気がひけていましたし、そこでのOVHは手が届く範囲だったのでお願いしました。1週間ほどで出来るそうです。
驚いたので、急いで母にその旨を伝えると、母も色々と思い出したらしく、母が小学校高学年くらいのときの祖母から祖父への贈り物ではないかとのこと。祖父が喜んで「ほらぁ、●●●の時計だぞ~!」と喜んでいた時のことを思い出したようです。世代を超え、今でも動いてくれる時計は、今でも昔でも、その時・その一瞬をその人と一緒に時を刻むのですね。時計職人さんから、そして母からも「いい話」が聞け、祖父も喜んでいると思います。ホントに捨てなくて良かったァと心から思いました。

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