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古い時計と職人さん2のお話。

2007年7月8日

いろんな妄想が頭の中を駆け巡ります。戸を開け中に入ります。
(なんでこんなにドキドキしてるんだろ?)
「あの~すみませ~ん。」
その職人さんは作業机の上で仕事をしながら、こちらを見ます。
「あの~亡くなった祖父の大事にしていた時計をできたら治したいのですが…」
「秒針と長針が取れてしまってますが、動いているようなのです。そもそも本物かどうかも分からない時計でして…。」
私は職人さんにその時計をそっと渡し…
「あの~この時計なんですが…」
「この時代の時計には偽モノは出回ってないよ。」 ……あっそうなの。じゃ本物?
「そうですが本物ですか?」              ……そっかぁ、良かった。
職人さんは、無言で赤茶けたその腕時計を大事そうに手に取ると、軽くトントンと指で時計裏を叩きます…。
「あ~ん、この音は、んっアレだな…。」       ……んっ?何だアレって?
すると…。
職人さんはニヤリこちらを見ると、おもむろに布きれを取り出し、
「いい?この布でちょっとこすってみようか?」   
             ……なんか微かに微笑んでこちらを見ています。
「ほら、キレイな金色になったろ!」
             ……きゅっと拭いた部分だけがキレイに輝きました。
つづく。

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