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ハリガネムシ その1

2009年7月14日

今回はヒルに続く…犬猫にも関係する…、ちょっと気持ち悪い寄生虫のお話…。(私の専門?…)2回に分けちょっと「ハリガネムシ」について…。(今回は画像無しです!)
カマキリなどに寄生する「ハリガネムシ」を知っている人は多いと思いますが、その生態(生活環)を詳しく知っている人は少ないでしょう。
専門用語ではなく簡単に説明しましょう。
「ハリガネムシ」はカマキリ(ハラビロ)、カマドウマなどバッタ類に寄生することが有名ですが、イワナなどの淡水魚類の内臓から見つかったこともあるようです。
そんな「ハリガネムシ」の生態(生活環)は…
ハリガネムシの卵は淡水の水中の水草などにつき、ふ化をします。
       ↓
ふ化をした小さな幼虫は、水中のヤゴやカゲロウ、ユスリカなどの幼虫(いわゆるカワムシの類。)に食べらてしまいます。
       ↓  (以下例としてカゲロウで説明。)
するとカゲロウの幼虫の体内でハリガネムシの幼虫は寄生し、カゲロウが成虫になるのを待ちます。(待機型・シスト化、待機宿主)
       ↓
カゲロウが羽化し、成虫として飛び始めますが、体内にハリガネムシの
シストが寄生していますので動きが鈍くなってしまい、捕食者に捕まりやすくなります。
       ↓
ここでの捕食者…つまりカマキリは、動きの鈍くなったカゲロウを容易に捕らえることができるのです。
       ↓
カマキリの体内に入ったハリガネムシは、カマキリの体内の○○などを
●●て、成長し大きくなります。
(気持ち悪いので、○○、●●はご想像下さい。)
       ↓
カマキリのおなかの中で大きくなったハリガネムシは、成虫になる為…
水中で卵を産む為に、カマキリを水辺に誘導すると言われています。(確かな証拠はないようですが、ハリガネムシの分泌物がそうさせているという報告があるようです。)
       ↓
ハリガネムシは、カマキリのお尻から脱出の機会を逃さぬよう顔を出し、水に触れるという合図で水中へ脱出します。
       ↓
水辺に誘導されたカマキリのお尻から脱出し、水中でハリガネムシは成虫になります。
       ↓
ハリガネムシは水中で産卵し……… 一番上に戻る。

かつて、渓流でウネウネ泳いでいるハリガネムシを見たことがありますが、
そんな泳いでいるハリガネムシをイワナが単に捕食したのであって、
寄生したわけではないのでは?と私は考えています。
寄り添って生きる虫…寄生虫。活かさず殺さず利用する…怖いですね。
でも寄生虫の肩を持つわけではありませんが、
虫も寄生虫も、みんな自然界で子孫を繋ぐ為、
一生懸命生きているんですよね。

ハリガネムシをネットで調べると画像や動画が見られますが、得意でない方にはあまりお勧めできません…。
    次回、「ハリガネムシ その2」犬猫との関係。に続く。

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